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心から覗いた空は、いつだって青いといい。
外に出なくたって、空は見れるんだってことがわかりたい。

私はいつだって、人の気持ちを読めたらいいと思ってきた。
そうしたら、とびきりの言葉をいつだって誰にでもかけることができたのに。
あの子にだって嫌われずにすんだのに。
君だって救えたかもしれないのに。

会話は賭けだった。
言葉はいつも心をハラハラさせた。
何度も反芻して、何度も傷ついた。
君の言葉が、君が思っている以上に私を傷つけている。
私の言葉を、私が思っていた以下に、君は受け止めたよね。

ある日突然、人はいなくなる。
さっきまで何気ない冗談を交わしていたはずなのに
ふいに、いなくなる。
君はもしかして気付いていたの?
これから起こる君の損失を、誰にも気付かせず行ってしまった。
きれいな切り口だけが残って。

人の気持ちを知りたい。
とびきりの言葉を伝えたい。
足りなければ、君の心を補強するために何度だって。

今どんな気持ちでいますか。
何でもいい、何か食べていますか。
悲しむべき時に、人の悲しみを謹んで受け取り、おじぎをする。
人が一頻り悲しんだあと、全て背負って悲しみの整理をする後姿。

煙が天井のない先へ伸びて
人が、天に上るように見える。
皆が上を見つめ、天を垣間見る。
人の死が美しいことを、涙する。

どうして悲しいことが必ず起こるのに、人は一緒にいるんだろう。
目の前にいる愛おしい人は、必ずいなくなるのに。
突然、その姿を変えてしまうかもしれないのに。
その答えは、解ってるはずなのに問うてしまう。

自転車のライトをつけるのを億劫そうにしていた君が
最近必ずつけている。
朝急いで外に出ていた君が、ゆっくり身支度をしている。
何気ない変化が、全て私のためだというその未来を
私はいつまでか安心し、いつからか感謝する。

そのときがくるまで。

父と母の長年の友人が亡くなった。
私は小さい頃からかわいがってもらい、成長を見守ってきてもらった。
昨日はいっぱい泣いて、彼と色々再確認した。
いつも会うたびに「色っぽくなったなぁ」って言う。
そういえば、冗談ばっかり。
いつも低い声で冗談を言って空気を軽くしていた。
きっと一番悲しいのはおじさんだろうな。
大丈夫かな。

小さい頃、お線香をあげる意味がよくわからなくて
死ぬってことがよくわからなくて
わかっているようで、わかっていなかった。

彼のお父さんに会ったことがなくて
いつも実家へお邪魔したときにお線香をあげてきた。
やっと最近、お線香をあげる良さがわかってきた。
お線香をあげるたびに、お父さんと仲良くなってきている気がした。
彼にも言わないような懺悔や(!)、楽しかったこと
私をもっと知ってほしいと、お線香をあげて
音のやむ束の間、会話ができるような。

おじさんにも、お線香をあげて話をしよう。
結婚したんだ、だんなさんはこんな人だよって、
いっぱい報告しなきゃいけない。
毎日精一杯生きてるよって、たまに寝過ごしたりするけど
毎日いろんな感情で満たされてるよって。

迷わず、安らかにお過ごし下さい。
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(Design by 夜井)

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