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仕事が朝番のとき、と言っても最近は朝番だけ。
18時に仕事が終わるから、たまにゆっくり本屋に行ったりする。

今日、何気なく寝室に行ったら本が落ちていた。
彼と喧嘩したときに、そういえば色んなものを投げた。
私は、物を大切にできない。
どんなに大事にしていた物でも投げてしまう。
投げているときは、大事にしていた自分はいないのだけど。

ごめんね、と思いながら手に取った本。
好きな台詞がある。

あなたにも見えるでしょう、同じ未来が。

というような感じの台詞。
言ってみたくても、言えないだろう私は人に期待していないのか
それとも、人に怯えているのか、紙一重だ。


すっと出てきて
ツナガル言葉は
すぐに消えてしまう。



僕たちは。
遺失物だ。
何度だって。
覆い尽くす。
空。
親鳥。



悔し紛れの
ツタナイ言葉を
君の声で
いつまでも
聞いている。
心から覗いた空は、いつだって青いといい。
外に出なくたって、空は見れるんだってことがわかりたい。

私はいつだって、人の気持ちを読めたらいいと思ってきた。
そうしたら、とびきりの言葉をいつだって誰にでもかけることができたのに。
あの子にだって嫌われずにすんだのに。
君だって救えたかもしれないのに。

会話は賭けだった。
言葉はいつも心をハラハラさせた。
何度も反芻して、何度も傷ついた。
君の言葉が、君が思っている以上に私を傷つけている。
私の言葉を、私が思っていた以下に、君は受け止めたよね。

ある日突然、人はいなくなる。
さっきまで何気ない冗談を交わしていたはずなのに
ふいに、いなくなる。
君はもしかして気付いていたの?
これから起こる君の損失を、誰にも気付かせず行ってしまった。
きれいな切り口だけが残って。

人の気持ちを知りたい。
とびきりの言葉を伝えたい。
足りなければ、君の心を補強するために何度だって。

今どんな気持ちでいますか。
何でもいい、何か食べていますか。
悲しむべき時に、人の悲しみを謹んで受け取り、おじぎをする。
人が一頻り悲しんだあと、全て背負って悲しみの整理をする後姿。

煙が天井のない先へ伸びて
人が、天に上るように見える。
皆が上を見つめ、天を垣間見る。
人の死が美しいことを、涙する。

どうして悲しいことが必ず起こるのに、人は一緒にいるんだろう。
目の前にいる愛おしい人は、必ずいなくなるのに。
突然、その姿を変えてしまうかもしれないのに。
その答えは、解ってるはずなのに問うてしまう。

自転車のライトをつけるのを億劫そうにしていた君が
最近必ずつけている。
朝急いで外に出ていた君が、ゆっくり身支度をしている。
何気ない変化が、全て私のためだというその未来を
私はいつまでか安心し、いつからか感謝する。

そのときがくるまで。
想像する

あの子のこんな顔


わき腹
足首

鮮明に想像できるけれど
それを私は線にできない
なぜって乗り越えることができないから
鍛錬や努力が苦手で
いつも途中で放り投げてしまう
いつだって私は中途半端が好きだ
それが私らしくて
逃れられない






あなたはそれを表して
私と私の大事な人に見せる
絵は上手だね下手糞だねって言葉だけで
語りつくせるわけがない、だとしても
たくさんの時間と気持ちをこめて
上手に私を喜ばせてくれるって思う

たとえそれが
紙一枚のものだと人が言っても
その一枚にかかった時間や
あなたの思考回路の一部始終
その指先の動きを
私はとても間近に感じることができて
ただ、感嘆しかなくなってしまって
涙だった今までと違って
笑みが止まらないんだ
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(Design by 夜井)

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